長野県佐久穂町の自給自足コミュニティ
長野県佐久穂町での自給自足コミュニティのリポートです。標高2千mクラスの山々に囲まれた自然豊かな町佐久穂町。
数年前から食糧難や今後の社会の変化を見据えて自給自足コミュニティを立ち上げたグループがあります。去年は約500㎡の畑で今年は更に範囲を広げて約1,500㎡の畑を借りて自然農で約20種類の作物を育てています。
この日は、じゃがいもの植え付け作業で7名のメンバー(子供を含む)が集まりました。
ちょうど桜が満開で天気も良く、雪冠を残した浅間山と桜のさわやかな風景のコントラストの中で、約2時間程度の植え付けとマルチ掛け作業を行いました。
夏の暑さも然ることながら、今年は冬の寒さも厳しかったためこの時期の気持ちの良さはとても貴重に感じられます。
全国的なお米の価格上昇などを受けて、今年は米作りに挑戦。とは言っても、自給自足コミュニティではみなさん本業をお持ちなので、通常の田んぼの様に水を張って管理したりという作業はとてもハードが高いと言えます。
そこでこのコミュニティでは今年、陸でできる陸稲(りくとう)にチャレンジ予定。実は主催者の丸山さんは穀物のプロフェッショナルで講師などの経験もお持ちなのです。リポーターの松本としても今後の自給自足コミュニティを考えるうえでとても興味深いチャレンジです。
主催者インタビュー
松本 自給自足コミュニティをはじめたきっかけを教えてください。
丸山 ずはり食の安全があったと思います。できるだけ自然由来のものを子供に食べさせたいという思いで始めました。菌ちゃん農法*を実践することで、化学肥料や農薬を使わずに栽培しています。
(*木屑や雑草から菌を利用して栽培する方法)
松本 食料価格の問題や社会情勢などから全国的に自給自足や農業を目指す動きがありますが、
丸山 とてもいい事だと思います。できればそういったコミュニティ同士が横のつながりを持って、獲れた作物の譲り合いや農業機材の貸し合いなどもあれば、更に安心の輪が広がっていくのではないかと思います。
松本 自給自足としての農業の良さは何ですか?
丸山 色んな作物づくりができることだと思います。一つの作業ばかりでは体を壊しやすいですが、多くの種類のものを作ることは、体への負担も少ないですし、収穫物が多ければ楽しみも多いですね。
松本 自給自足コミュニティを主催されている中で課題の様なものがあれば教えてください。
丸山 私も含めてメンバーの皆さんはそれぞれお仕事をお持ちなので、どうしても繁忙期には人手不足になります。今は農業のアルバイトを依頼することでカバーしていますが、自給自足を考えた場合、やはり一定の人数がいてほしいです。
松本 なるほど。では、自給自足農業の良さを多くの人に知ってもらえることが重要ですね。
丸山 長野県は標高が高く、自然豊かで都会から移住を考える人にとっては魅力的な場所の一つです。
みなさんも、移住や2拠点生活を考えるなら、是非佐久穂の自給自足コミュニティに一度遊びに来てみてください。
リポーター 松本陽介