知識

EM有用微生物群の元祖、アープ・トーマス・オルガ菌

植物が健康に育つ土の構造は、団粒構造です。
これは土壌中の細かい粒子が互いにくっついてサラサラした状態を形成する現象を指しており、団粒構造の生成には微生物が大きく関与しています。

植物の健全な生育は土壌次第

植物と土との関係の研究に没頭したアープ・トーマス博士

研究室

アメリカの若き医師アープ・トーマス氏は、私たちが生きていくために必要な食糧の栄養源は土の中にあると確信していました。

そして各地の土壌を調査した結果、植物が健康に育っている土壌ほど多くの微生物が存在していることに気づきました。
以降、トーマス博士は南北アメリカ大陸はもとより世界各地を渡り歩き、半世紀にわたって土壌バクテリアに関する研究を重ねました。

合衆国政府及び各大学の支援を得て数々の実験を繰り返し、そして1905年、ついに最も有用と思われる微生物の組み合わせ「トーマス・バクテリア群」を編み出しました。それまで誰もがなし得なかった土壌バクテリアの利用法と、バクテリアの純粋培養に成功したのでした。

トーマス博士は、フランスのパスツール研究所にも度々出向して乳酸菌の研究にあたり、人類の腸内で生存できる乳酸菌を発見。これを「アシドフィラック」と命名した人物でもあります。
この事は、世界中の医学界から称賛され、パスツール研究所の文献にも記載されています。

アープ・トーマス菌の日本での普及活動は戦争によって中断された

以降、彼が培養に成功した微生物群は「アープ・トーマス菌」と呼ばれるようになり、その技術が日本に入ってくることになります。

トーマス博士には、彼の研究に資金援助をしたと言われている小森丈輔氏という日本人の友人がいました。トーマス博士は、彼にアープ・トーマス菌の日本と東南アジア全域での販売権を委譲しました。
小森氏は、大正末期から昭和初期まで、日本国内でアープ・トーマス菌を利用した堆肥づくりを指導し、国内各地で多くの成果を上げました。
ところが、その途中で第二次世界大戦に突入。日米間で物資の交流が途絶えてしまったため、彼の活動は中断となってしまったのです。

農薬散布

戦後になり、老先短かった小森氏は、自分が亡き後のアープ・トーマス菌の普及活動を甥の岩井鉄三氏に託しました。

新聞記者だった岩井氏には農業知識がなかったため、知人であった門馬義芳氏が岩井氏を役員に引き入れて「日本ライフ」という名称でアープ・トーマス菌の販売会社を設立したのです。
日本ライフ社は、現在でも「アーゼロン」という商品名で微生物菌体を販売しています。

ところが、QHQの支配下になった戦後の日本農業は化学肥料万能主義に陥っており、農業資材に微生物を使うことなど見向きもされず、日本ライフの経営はなかなか軌道に乗りませんでした。


バイオ・グリーン社がアープ・トーマス・オルガ菌の普及を引き受ける

時は流れ、昭和50年代。
岩井氏に「アープ・トーマス菌の普及を復活させることは出来ないか」と提案をしてきたのが、千葉大学で農業の研究活動をしていた曽田陽彦氏でした。
それ以降、曽田陽彦氏がアープ・トーマス菌の研究活動に入ることになります。
そして、アープ・トーマス菌にオルガ菌を付加し、特殊工法によって液状化に成功するのです。こうして、アープ・トーマス菌は「アープ・トーマス・オルガ菌(ETO菌)」となりました。
しかし、曽田氏は事業家ではなかったために、彼の力ではトーマス菌を世に広めるところまでには至りませんでした。
その間、年号が平成に変わった頃には、世の中ではEMが先にクローズアップされていました。

平成8年、曽田氏と運命の出会いを果たしたのが、栃木県では名の知れていた農業高校出身の実業家、大橋伸一氏でした。
以降、大橋伸一氏が設立したバイオ・グリーン社が、アープ・トーマス・オルガ菌(資材の製造販売元として普及活動を行っています。

植物と微生物は共生関係にある

共生関係

アープ・トーマス博士は、土中での植物の根と微生物との相関関係を「植物が要求する養分要素と、根から出る分泌物が、微生物を介して共生する」と表現しています。

生物学的には「共存」と「共生」とは似て非なるものです。共生とは、異なった生物の種どうしが何らかの関係で助け合うことを言います。
作物は根が土中の養分や酸素を吸収して育ちますが、根の働きは土中の物質を吸収することだけではありません。

そもそも根も、炭水化物やアミノ酸、有機酸といった有機物を分泌しています。
土中の微生物は、動物や植物の残骸の有機物を分解してアミノ酸や塩基類その他ビタミン類を養分として植物の根に供給する役割を果たしているのと同時に、植物の根から分泌されている養分を求めて根に集まっていくのです。

つまり、微生物が植物に食料を与え、植物が微生物に食料を与えているという、動物と植物が共生している世界が土中で作られているのです。

植物の根と微生物が共生するからには、土の中も、その共生を保障する場になっている必要があります。それが、土壌の団粒構造です。
土づくりとは、植物と微生物が共生する環境づくりなのです。


アープ・トーマス・オルガ菌(ETO菌)関連製品ついて

バイオグリーン

植物と微生物が共生する環境づくりをするアープ・トーマス・オルガ菌(略称:トーマス菌)を成分とする土壌改良剤として【トーマスくん】、トーマス菌のエサになる補助資材として【穂宝源(すいほうげん)】が製品化されています。
さらに、トーマス菌を活用した発酵有機肥料【海藻源肥(かいそうげんぴ)】が開発されています。

⇒正規販売代理店 いやさか