知識
みんな大好き!マコモ(真菰)の話 レシピあり
マコモ(真菰)は、日本では特に湿地や川の近くで見られることが多いイネ科に属する多年生の水生植物です。
太い肉質の地下茎が横にはい、そこから立ち上がる葉茎は草丈1メートルから2メートルにもなります。
食用や薬用、文化的な用途で古くから利用されてきました。
若い茎はマコモダケと呼ばれて食材として人気があり、独特の香りと風味が特徴です。
また、マコモは水辺の植物として、土壌の浸食を防ぎ、水質浄化にも寄与するといわれています。
近年、農業の多様化やエコ農業の推進の一環として、国内でマコモの栽培が増えてきました。エコビレッジや農的コミュニティでもマコモが注目されつつあります。
マコモはその地方の特性を生かし、農産物や特産品としてブランド化することも可能です。マコモを使った加工品や健康食品、さらには観光資源として活用することで、地域経済の活性化に繋がっています。
宮城県気仙沼市にはマコモを素材に建設されたコミュニティ施設「マコモ龍宮城」があります。
生命の根元、マコモ菌(耐熱菌)
これまでの生物学の常識では、細菌類は70~80℃でほとんどのものが死滅すると言われてきました。
ところが、マコモタケに生殖する微生物は、数百度の高熱にも耐えられる生命力を持っているのです。
この微生物の正体については未だ解明されていません。
ただ明らかになっていることは、自然界の構成要素である「光」と「水」と「空気」と「土」、そして「植物」と「動物」とが自然の法則にかない、かつ適切なバランスのもとに集約されたときに、はじめて耐熱菌が発生するということです。
一部の科学者の間では、「この単細胞生物(耐熱菌)は、古代生物の再来」との説があります。
ある識者は、「地球上に初めて誕生した植物はイネ科の植物だったのではないか」などとも推測しています。
神が宿る草
日本では、マコモは「古事記」「日本書紀」「万葉集」にも記載され、全国の神社で「神が宿る草」として神事に利用されてきました。
出雲系の神社では、注連縄(しめなわ)や茅の輪をマコモで作るのが正式と言われています。
出雲大社では、毎年6月1日に涼殿祭(すずみどののまつり)が行われていますが、この日、神職一同は、本社の東方100メートル余りの出雲森に参道して祭事を行い、御手洗井(みたらしのい)に至るまでの道筋にマコモを敷き立砂を盛り、国造はこの上を歩きます。
大分県の薦神社(こも・じんじゃ)では本殿裏にある三角池(みすみいけ)が御神体になっており、昔はこの池にはえているマコモ(真薦)を枕状に編んで御神体の御験にしていました。
埼玉県さいたま市の氷川神社では、マコモの若葉を束ねて作った「ちまき」を奉納する儀式が6月5日に行われます。
東京の神田明神では、6月中旬から末日まで、マコモで編んだ茅の輪をくぐる神事が行われています。
マコモダケの簡単料理レシピ
マコモの若い茎の部分は、シャキシャキした食感とほのかな甘みが特徴で、さまざまな調理法で楽しめます。
時間が経つと食感が落ちることがあるので、新鮮なうちに調理するのがベストです。
アクが少ないですが、気になる場合は塩水や湯にさっとくぐらせてから使うのが良いです。
マコモサラダ
材料:マコモダケ、きゅうり、レタス、ニンジン、ハム、ドレッシング
手順:
1.マコモは皮をむき、短冊切りにする。
2.きゅうり、ハムはマコモと同じ大きさに切る。
3.レタスは手でちぎる。
4.ニンジンは細く千切りにする。
5.野菜を混ぜ合わせ、ドレッシングをかけて完成。(ドレッシングの種類は何でも)
マコモのバター炒め
材料:マコモダケ、ニンジン、ブロッコリー、ピーマン、ベーコン、バター、塩
手順:
1.マコモは皮をむき、乱切りにする。
2.ベーコン、野菜は、食べやすい大きさに切る。
3.フライパンにバターを溶かし、材料を炒める。
4.塩を振り、味を調える。(コショーや七味でも可)
マコモの素焼き
材料: マコモダケ、味噌、塩、マヨネーズ
手順:
1.マコモは皮をむかず、半分に割り、オーブンでこんがりと焼く。
2.味噌、塩、マヨネーズなどにつけて食べる。
マコモの天ぷら
材料: マコモダケ、天ぷら粉(小麦粉+水+卵)、揚げ油、塩
手順:
1.マコモダケを5cmほどの長さに切る。
2.天ぷら粉を水で溶き、サラッとした衣を作る。
3.マコモダケを衣にくぐらせ、170~180℃の油でカラッと揚げる。
4.揚げたてに塩を振って完成。
マコモダケのスープ
材料: マコモダケ、鶏がらスープ、ネギ、塩、胡椒、ゴマ油
手順:
1.マコモダケを薄い輪切りにする。
2.鍋に鶏がらスープを沸かし、マコモダケを加えて5分ほど煮る。
3.塩と胡椒で味を調え、仕上げにネギとゴマ油を少々。
マコモダケの和え物
材料: マコモダケ、酢、砂糖、しょうゆ、ゴマ
手順:
1.マコモダケを茹でて冷水に取り、食べやすい大きさに切る。
2.酢、砂糖、しょうゆを混ぜた調味液に漬け、10~15分置く。
3.最後にゴマを振って仕上げる。