居住地を考える
危険な擁壁の見分け方
2021年6月25日午前、大阪市西成区で崖地の擁壁が崩落し、上に建っていた住宅2棟が倒壊しました。
日本は斜面の多い国です。危険な擁壁を見分けるコツをご紹介いたします。
素人の目から見ても比較的わかりやすいので、傾斜地を含む土地や住宅を使用する際には必ずチェックをしましょう。
危険な擁壁
ブロック積擁壁
地震が起きた際に、ブロック塀が倒れて人が下敷きになったという事故がありました。これは、そのような家の境界に建てられることの多いブロックを積み重ねた擁壁です。
構造的には非常に弱く、崖地を支える擁壁には適していません。
玉石
こちらは斜面に石を積み上げただけのものです。
どちらかというと装飾の意味合いが強く、擁壁と言えるレベルのものではなく最も危険な構造です。
安全基準を満たした擁壁
宅地造成等規制法施行令第6条では擁壁に関する技術的な基準として、「鉄筋コンクリート造、無筋コンクリート造または間知石(けんちいし)その他の練積み造のものとすること」と定められています。
間知ブロック積擁壁(間知石)
背後の控え部分には、土圧の分散を図る栗石などを詰めて積み上げていきます。擁壁としては安全なものと言えます。必ず水抜き穴が必要です。
鉄筋コンクリート造擁壁
無筋コンクリート造より堅固で、擁壁としては安全なものと言えます。必ず水抜き穴が必要です。
鉄筋が入っているかどうかは外からは見えないので、このような擁壁のある宅地を購入する際には、念のため業者に鉄筋の有無について確認を取りましょう。